LINER NOTES “Immortal”

生命の始まりである『母』と、終わりを象徴する『墓』を名前にしたバンドが、自身のアルバムタイトルに『不死』と名付けた。
ただならぬ雰囲気を感じる。
自らはいつか朽ち果てようとも、この世に残した楽曲たちは永久不滅であることを意味しているのか?

★★★★

僕がMother tomb と出会ったのは、2013年の夏だった。
転職した先でGt. のNobu と知り合い、「今度ライヴやるんで観に来ませんか?」と誘われたのがきっかけ。

ライヴを観て、度肝を抜かれた。
こいつら90年代後半に活動していたら、LUNA SEA やL’Arc~en~Ciel なんかと一緒にヒットチャートを暴れ回っていたんじゃないだろうか?
そう思うくらい、メロディはキャッチーで、リフはエッジーで、サウンドメイクは凝っていて、ステージパフォーマンスは瑞々しくて、これから先の伸び代を感じた。

思春期にヴィジュアル系ロックを通ってきた僕にとって、Mother tomb の音楽はど真ん中だった。
今もジャンルは生きている。
が、ラウドな方向性に偏ったバンドが増えたなぁ、という印象だ。
いや、ラウドな音楽も好きですよ?
でも、そればっかりじゃつまらないじゃないですか。
だから、こういうバンド待っていた。
あの頃のようにポップ性を内包していて、それでいて今の時代にアップデートされたロックミュージック。

ヴィジュアル系黄金時代なんて、20年前の話だ。
まだ生まれていなかった人も多いだろう。
Mother tomb 自身、ジャンルにとらわれずに活動している。
多くの人にとって、Mohter tomb は新しい音楽なのではないかと思う。

実際、どこで対バン相手と較べても、Mother tomb は異物感があるな、と思う。
パンクバンドと対バンしても、ギターロックバンドと対バンしても、ラウドロックバンドと対バンしても、ヴィジュアル系バンドと対バンしても、どこかMother tomb は浮いている。
しかし、彼らはその状況に物怖じせず、飄々と自分たちのライヴをやってのける。
僕はそこに可能性を感じる。

何度かライヴに足を運んだ後、自分なりにバンドの応援をしようと思い、ホームページを作りましょうよとNobu に提案した。
申し遅れました。
Mother tomb official website の中の人、”FM88.4MHz”です。ラジオ局ではありません。

★★★★

2年前にリリースしたミニアルバム『Beginning』では、ジャケットにメンバー4人の好きな色を均等に配置してあり、今思えばジャケットの通り、良くも悪くもそれぞれの色(個性)がぶつかり合っているかのような印象を受ける。
今回『Immortal』のジャケットは、真っ黒である。

そうか、前回ぶつかり合っていた色が交わって、バンドとしてひとつへとまとまりました、ということなのか。
そう思っていたら、Nobu曰く「何色にも染まらない」とのこと。
それって一般的に言って白なんじゃ…?

しかし、聴いてみて納得。
まだ個性はぶつかりっぱなしだ、いい意味で。
むしろ、どんな色でも吸収して自分たちの色に取り込めるぜ、という気概を感じる。

このアルバムでは、
LUNA SEAのような、妖艶でダークな世界観も、
L’Arc~en~Cielのような、幅広い音楽性も、
黒夢のような、エッジーなギターリフや暴力的なシャウトも、
Janne Da Arcのような、リアルな歌詞も、
すべて消化されて、Mother tomb の色として表現されている。
是非、この漆黒のジャケットの奥に煌く色とりどりの光を感じてほしい。

★★★★

秋には神戸チキンジョージでのワンマンライヴが決まっている。
みなさんには、このライヴも含めて、ひとつひとつのライヴが一生の思い出と、いや永久不滅の思い出となることを願います。

Mohter tomb には大舞台でのライヴがよく似合う。
このライヴを成功させて、バンドが更なる高みへと飛び立っていくことを期待している。